経営者、管理職が使ってはいけない言葉

何気なく使っているこんな言葉

日々の仕事において、経営者、管理職などのマネジメント職は部下や社員に向けて、

口頭、文章で日々の業務に関することだけでなく、会社としての目標や目指す姿を語る事もあるでしょう。

しかし、これらの場合に使うべきではないが、高頻度で使われている言葉が多くあります。

今回はその点について書いていきます。

経営者、管理職が使うべきでない言葉 その1

政治家がよく使う言葉

経営者や上長が目標を掲げる際、しばしば政治家が用いるような言葉を使う傾向があります。

これらの言葉は、抽象度が高く、人により捉え方が変わる言葉です。

政治家は意図的に抽象度を高くし、有権者にイメージを膨らませ、また実行時に内容が矮小化されない様に

この様な言葉遣いをしていると思われますが、特定の状況を除いて仕事の場では逆効果です。

メンバーに具体的な行動を促すには不適切です。以下にその例を挙げます。

注力する:注力する領域を明確にせず、ただ力を入れると言っても、何をどう進めれば良いのか不明瞭です。

注視する:単に注意深く見るだけでなく、どのような行動を取るべきか具体的な指示が必要です。

徹底的に:「徹底的に改善する」と言われても、具体的な改善点や方法が示されていなければ、行動に移すことは難しいでしょう。

改善する:何をどのように改善するのか、明確な基準や目標が必要です。

最大限:最大限の努力を求めるのではなく、達成すべき明確な目標とそれを達成するための手段を示すべきです。

スピード感をもって:速度を重視するのではなく、期限や具体的なタイムラインを設定しましょう。

責任感をもって:責任を持つことは大切ですが、それだけでは不十分。誰が何に対して責任を持つのかを明確にする必要があります。

いかがでしょうか。企画書や報告書でみかける文言が含まれていないでしょうか。

これらの言葉は、具体性に欠けるため、聞き手は独自に解釈して行動するしか出来ません。

いえ、行動してくれればまだよいですが、具体的なアクションを起こさない可能性も高いです。

折角行動しても、「俺が言いたかったのはそういうことじゃない!」と後から言われた場合はどうでしょう。

「じゃあ最初から具体的に言えよ」と心の中でツッコまれること間違いありません。

その結果、目標達成のための明確な道筋が見えず、チームのモチベーションや成果にも影響を与えかねません。

経営者、管理職が使うべきでない言葉 その2

形容詞

形容詞も先述の言葉同様に抽象度が高く、人によって捉え方が変わる言葉です。具体的には、

効率的 – Efficient

革新的 – Innovative

持続可能 – Sustainable

競争力のある – Competitive

ユーザーフレンドリー – User-friendly

柔軟な – Flexible

信頼性の高い – Reliable

直感的 – Intuitive

コスト効果的 – Cost-effective

高品質- High-quality

時代遅れ – Outdated

革命的 – Revolutionary

協力的 – Collaborative

透明性のある – Transparent 

などの言葉です。

 

お気づきかもしれませんが、これらの言葉はメディア情報やPR広告でよく見かける言葉です。

形容詞は人の気持ちを表し、気持ちに訴えかける言葉です。

商品の良さを数値で並べられるより、イメージで訴えかけられた方が良いものであると思ってもらいやすいので、

この様な表現が頻繁に用いられるのです。CMに印象の良いタレントが起用されるのと同じ法則です。

しかし、社内向けにメッセージを発する際にこの言葉だけを出して「後は宜しく」と言わんばかりに

仕事を進める様にする事は混乱を起こすだけで、何の効果も発生しません。

むしろ毒にすらなる可能性が高いでしょう。

経営者、管理職が使うべきでない言葉 その3

概念性が強く抽象度の高い言葉

これらの例は、DX、GX、SDGs、顧客満足度などバズワード・マルチワード的に使われ、言葉が示す意味が広すぎるものです。

私が専門とするIT分野でもDXと言われだしたころは、「なんでもよいからDXを実施しろ!」といった

指示にすらなっていない空回りの号令が様々な場所で飛び交っていました。

これらは、発信者側、つまり経営者側が必要性は感じているが、具体的にどの様な方向性で進むべきか、

そのビジョンが明確でない場合に起こりがちです。

確かに経営者として世の中の流れに遅れないように機敏に経営の舵を切る事は重要な事です。

また、この様な最新トレンドは初期はほとんど事例がなく、言葉だけが先行している状況が多いです。

目指すべき方向性も曖昧で、指示をだす方も「ワシも分からん!」という状況が多いのも確かです。

しかし、そんな中でも経営者なりにインプットし、解釈し、自社なりに再構築し、部下に咀嚼して発信する必要があります。

大変難しく悩ましい仕事ですが、これこそが経営者の一番の仕事と言えるでしょう。

抽象度の高く、範囲の広い言葉を使うと一見すごい事を発信している様に見えます。

しかし、伝わらない凄い事を発信するより、伝わる言葉に変換して普通の人にも伝わる内容にした方が良いでしょう。

経営者や上長は、目標を掲げる際には具体性を持たせ、チームが明確な行動指針を持てるようにすることが重要です。

言葉一つでチームの動きが大きく変わることを念頭に、明確で実行可能なコミュニケーションを心がけましょう。

社内発信に悩みがある経営者はDigiProのコーチングを受けてみてはいかがでしょうか。

考えを具体化する手助けになり、組織への発信力に変化が現れることが期待できます。

経営者、管理職が使うべきでない言葉 その4

相手の感情を潰す言葉

最近かなり多くの管理職の方が部下に接する際に気を遣うことに「ハラスメント」があります。

何かあると「○○ハラスメント」と言われる時代です。

強く言い過ぎるとパワハラになるのではないか、飲みに行くもの誘いづらい、といった言葉を聞くことも多いです。

しかし、適切な指導の範囲で「それは宜しくない」「ここは直しなさい」と言うことに問題はありません。

問題があるのは、指導に見せた相手の感情を潰すような言葉です。

これは特に関係性の構築が出来ていない間で起きやすくなります。

例えば、仕事においては上司の方が部下より知識も経験も豊富です。

罵倒するような言葉は論外ですが、相手の成長を願っていたとしてもやっている事自体を否定する様な言葉や

全てにおいて「これができていない」「あれができていない」と指摘するだけや、

自分が理解できない部下からの提案や行動を「そんなことはしなくてい」「XXさんは的外れなこと言ってくるね」

といった言葉や言葉にしなくても怪訝な顔をする、「忙しいから」と取り合わないなどの行動が続くと相手は

次第に「この人とはコミュニケーションが取れない」と感じ、本音どころか何も発言しない状態、

上司の言った通りにだけやる人になっていきます。

一見、上司から見ると「分かってきたじゃないか」と悦に浸る人もいます。

ですが背景で起こっていることは最悪で、顔は笑っていても、

裏で進んでいることは「次の会社探し」か「上司への報復」です。

それほど人の感情と行動は結びついており、コミュニケーション対象が多く、

その影響も大きい上司、経営者は十分に気を付ける必要があります。

こんにちは 👋

きっと社長をしていることが楽しくなる情報発信をしています。

コンテンツを受け取るためのメール登録はこちらから↓。

スパムメールは発信しません!詳細については、プライバシーポリシーをご覧ください。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です