日本では、バブル以降の失われた30年と呼ばれる間、労働生産性の分母を削減すること(つまり、コスト削減)に終始してきました。ITはコスト削減にも強力に働きますが、新たな気付きや付加価値のために行動する手助けとなるデータを見い出したり、提案に活用できる可能性を高めます。これが分子の拡大(つまり、売上、利益の拡大)につながります。建設業には人・材・間(いわゆる、人件費、材料費、間接費)と複数の費用が混在し、さらに工種、材料種毎に単価が異なります。これらをグロスして一式として見積として提示することが多いです。また、リスク含みの見積を行うため、本来の積算原価が不透明になっている場合が多くみられます。いずれにせよ、IT化により、見積もりの精緻化、コスト管理の最適化が重要であり、それらを基に自社の持っている技術力と掛け合わせてより付加価値の高い工事を行うことで、結果として競争力の強化につながっていきます。
中小建設業におけるIT化は、労働力不足の解消、生産性向上、競争力強化のために欠かせない要素です。まずは現状の課題を把握し、段階的にIT導入を進めることが成功のカギとなります。自社に合ったツールを選び、効率的な業務運営を実現しましょう。