マネジメント層は部下に自分で考えて動けるようになって欲しい
こんな話をよく聞くことがあります。
「うちの社員は言われないと動かなくて・・・」
「もっと主体性を持って行動して欲しいんだけど・・・」
「指示待ち人間なんだよね」
これらの悩みから経営層、管理職は「部下が自分で考えて動けるようになってほしい。」「いちいちこちらから指示を出すのはもう辞めたい。」と考えることが多いようです。
しかし、本当にそうなのでしょうか。
自分で考えて動く社員とはどういう存在か?
この点について具体的に説明できる経営者、管理職はどのくらいいらっしゃるでしょうか。
そもそも「自分で考えて動く」ことができない社員がいるということは、何も考えずに日々の仕事を行っているということでしょうか。
実際はその様な方はまずいないと思います。
新入社員でまったく何をすれば良いか先輩からの指示がないと動けない。といったような状況なら別ですが、ある程度自身のやるべきことを把握し実行している社員であればなおさらです。すでにやるべきことを自分で分かっており、考え行動しています。機械でもない限り意思を持って行動しているはずです。
では、経営者、管理職が想定する「自分で考えて動く社員」というのはどの様な人でしょうか。
一言で言うと
「会社・組織の方針(経営者・管理職が出した方針、計画)の本質を読み取り、作成者の考えと同じ方向で考えを行動に具体化できる人」
という事でしょう。
乱暴に言うと、私の考えを汲み取って考えとズレが無いように実行せよ!と言っています。
ご本人はそんなつもりはないと言われるかも知れませんが、強弱はあれど上記のニュアンスになります。
自分で考えて動く社員を育てることがリスクになる
え!? と思われましたか?
社員がまったくゼロベースで考えることは想定していないはずです。
社員がゼロベースで考えて行動すると、それは組織の人間の行動ではなく、個人の行動になります。
ともすると社員の暴走、独断にもつながり、会社への不平不満にも繋がります。
つまり、考えるための方向性、目指す所は示す必用があります。
そんなことやってるよと言われると思いますが、お話を聞かせて頂くと実際はそうでない状況も多く見られます。
大きな方針は示しているが、あとは社員に任せる。といった適切なマネジメントが為されていないケースが多いです。
そのため、社員は自ら行動を起こすことができないか、行動を起こしたとしても考えのスレ違いが発生し、上司から怒られる。
怒られるくらいなら行動は起こさず、言われた事を忠実に実行しよう。という風になっているケースです。
必用なのは自分で考える社員ではない
極論、最初から自分で考えて行動する社員は必要ありません。
その様な人材は逆に組織にとっては困る存在になる場合の方が多いです。
それでも自分で考えて動いで欲しいと考えるのは、経営者、管理職だけでは仕事は進まないからです。
また、逐一指示していると仕事も回りませんし、部下と上司の組織構造を形成している意味がなくなってしまいます。
ではどうするか。
元来、人間は自分で考えて行動したいものです。
人に言われないと趣味をしない人・・・・いますか?
人に言われないと行先までのルートを決められない人・・・いますか?
必用なのは、ゼロから考える社員を育てる事ではありません。
上司との考えを共有し、それを実行し、実行の中で改善する事を提案できる人材です。
それにはいくつかの要素が必要になってきますが、
重要なのは「仕組み作りができているか」ということです。
御社の状況をお伺いしながら、具体的なお話をさせて下さい。