中小建設業におけるIT化のススメ

中小建設業におけるIT化のススメ

近年、建設業界では労働力不足や生産性向上の必要性が高まる中、IT化が急務となっています。特に中小建設業では、大手と比べてIT導入が遅れがちですが、適切なツールを活用することで業務効率を大幅に改善できる可能性を秘めています。本記事では、中小建設業におけるIT化の重要性と具体的な導入ステップについて解説します。

1. なぜ中小建設業にIT化が必要なのか?

1-1. 人手不足の解消

日本の建設業界では、職人の高齢化による人手不足が深刻化しています。ITツールを活用することで、限られた人員でも効率的に業務を進めることが可能になります。同時に、退職が見えている職人の熟練技術の継承も課題となります。作業標準やマニュアルを作成する方法が一般的ですが、多忙で作成が後回しになっている状態が実態です。また、ほとんどの職人は若手に技術を教えることが苦手です。これは、自身が若手の時に教えられることがなく、「技術は見て盗むもの」といった風潮があったこと、また特に建設業では言葉や態度が厳しくなりがちで若手が委縮してしまうこと、などが挙げられます。これらを踏まえて、直接教えるのではなく、マニュアルや作業標準、技術的注意ポイントをデジタルで残して伝えるなどの方法が必要になってきます。

1-2. 生産性の向上

建設業では、申請書類や現場書類、現場写真など多くの書類が必要になります。また、工種・工程が増えるほど関係者が多くなり、必然的に情報共有に関わる時間やその際のミスも多くなります。また、図面の変更も頻繁に発生するため、最新の図面やスケジュールの共有にも課題が多いです。手作業による書類管理や、紙だけによる情報共有は関係者が多い現場では業務の停滞を招くことが多々あります。クラウドシステムや施工管理アプリを活用することで、場所と時間を選ばない情報の一元化とスムーズなコミュニケーションを実現することができます。

1-3. 競争力の強化

競争力の強化には2つの観点で考える必要があります。1つは、同じ工事をより低価格で行うことで競争力を高める方法です。これは、人件費や材料費を押さえることになります。もう1つは、同じ工事の価値を高める方法です。より高い技術・施工方法を提案し付加価値を高め単価を上げる、間接受注ではなく直接受注を目指す、などといった方法です。これは、いわゆる労働生産性の式をベースに考えることができます。

日本では、バブル以降の失われた30年と呼ばれる間、労働生産性の分母を削減すること(つまり、コスト削減)に終始してきました。ITはコスト削減にも強力に働きますが、新たな気付きや付加価値のために行動する手助けとなるデータを見い出したり、提案に活用できる可能性を高めます。これが分子の拡大(つまり、売上、利益の拡大)につながります。建設業には人・材・間(いわゆる、人件費、材料費、間接費)と複数の費用が混在し、さらに工種、材料種毎に単価が異なります。これらをグロスして一式として見積として提示することが多いです。また、リスク含みの見積を行うため、本来の積算原価が不透明になっている場合が多くみられます。いずれにせよ、IT化により、見積もりの精緻化、コスト管理の最適化が重要であり、それらを基に自社の持っている技術力と掛け合わせてより付加価値の高い工事を行うことで、結果として競争力の強化につながっていきます。

まとめ

中小建設業におけるIT化は、労働力不足の解消、生産性向上、競争力強化のために欠かせない要素です。まずは現状の課題を把握し、段階的にIT導入を進めることが成功のカギとなります。自社に合ったツールを選び、効率的な業務運営を実現しましょう。

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